カサスゲが生育しているのは水質が保たれている証拠との事です
桜区のまちづくりを進める会の鴨川旧河道沿いの植物観察会に参加した。
暑いくらいの好天の下で9時30分から3時間近く佐々木寧埼玉大学大学院教授の先導で進められ、この季節だか
らこそ入れる河道沿いの荒地なども見る事が出来た。
紅葉したウワミズザクラ(上溝桜)の前で佐々木教授の説明を聴く。個体によって黄葉したり紅葉し樹皮を
傷つけるとクマリンの香りがするという。昔この材の上に溝を彫り亀甲を焼いて吉凶の占いに使ったのが名の由来
今花が咲いているキヅタや紅葉のウワミズザクラなどの木々を観察後、鴨川旧河道の水源地のハンノキ林に生
育しているカサスゲを確認。カサスゲが生育しているのは水質が保たれている証拠との教授の話だった。
鴨川旧河道の広い部分だが流れている様子はなかった | 広く開けた草地だがこの時期だからこそ入れた荒地 |
長年放置されていただけに正確な水源の確認もでき切れず、河道が所々で堰止められていて、両岸は簡単には
近づけない個所も多い。まず荒廃した自然を元に戻す為の工事から始めなければならないのが現状だった。
H22荒川西区土屋下築堤他工事の予告看板が出ていました
西遊馬側の展望所から土屋築堤方面を望む
治水橋の信号を渡った所に11月12日〜3月25日迄H22荒川西区土屋下築堤他工事の予告看板が出ていた。
でも、工事は行われていず、工事が始まっている様子も見られなかった。今年拡幅された堤防は所々にイヌホ
ウヅキの緑とコセンダングサの株が見られるだけで広々とした枯れ野原だった。
6月15日まで長く工事をしていた西遊馬築堤工事現場も工事用の柵が取り除かれ、新しく今年度の工事が行われ
る気配は無かった。羽根倉橋から治水橋間には工事予告も無く今期のさいたま築堤はどこの工事をするのか不明だ。
それでいて塚本の鴨川旧河道の水源地辺りのハンノキを伐採してまで災害用緊急道路建設の話がある。さいた
ま築堤の平成24年度完成目標は一体どうなっているのだろう。
錦乃原桜草園と道路の間の草むらに遅咲きのアキノノゲシが花をつけていました
左上はスズメウリ、中央はノブドウ、右は
アキノノゲシと円内はコシロノセンダングサ
錦乃原桜草園はオギの枯姿に覆われていたが観察路だけは除草がされて一段低くなっていた。
園と道路の間には遅咲きのアキノノゲシ
とコシロノセンダングサが多くの花をつけてチョット
した荒地の花薗になっていた。少し先の群生地のアキノノゲシは全て冠毛になっていたのでこの桜草園の周囲だけが何故か遅咲きの
ようだった。
堤防に守られていない河川敷は堤防外で守られている一般の所は堤防内です
15時過ぎ頃から次第に空には雲が垂れこめ、堤防上に上がった時には陽射しは無くなり、風も冷たく強くなっ
てまるで夕方のようだった。風は冷たくても今の季節ならフォローになる筈が左斜め前から吹きつけるアゲンストで結構きつかった。
大久保領家辺りの堤防斜面にコウゾリナが黄色い花を咲かせていた。シーズン中なら午前中で閉じてしまうの
に花が少ないこの時期になると遅くまで花開いている。その先にはノハラアザミがたくさんの冠毛の中で名残りの花をつけていた。
春に咲くノアザミは花の下の総苞が粘るがノハラアザミは粘らず根生葉が花期にも残るのが特徴だ。
河川敷は普通の感覚でいくと堤防の内側だと思うが、河川管理事務所用語では堤防外という。
堤防に守られている一般住宅地は堤防内で、堤防に守られていない河川敷は堤防外。視点の違いだがやはり何
となく違和感がある。
平成22年12月20日作成