マツバウンランが本格的にさいたま市の荒川堤防に繁茂していました

盛土堤防のマツバウンランとノボロギク
盛土堤防でマツバウンランの群生が点在して居た。さいたま 市の堤防では初めて見る大きな群生だった。
マツバウンラン
マツバウンランは従来ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae だったが、APG分類体系によりオオバコ科 Plantaginaceae に再編され、属名 もウンラン属 Linaria から分離されたマツバウンラン属 Nuttallanthusに改められている。
マツバウンランは2006年のさいたま築堤工事開始と共にさいたま市の荒川堤防に見られるようになり、2008年頃からは昭和田んぼの 盛土堤防に毎年必ず見られるようになった。
1941年に京都で採集された原産地が北アメリカの越年草といわれ、04年に初めて和歌山のゴルフ場で見たのも地理的にはうなずける。
帰化して75年とまだ日は浅いがその繁殖力の強さは驚異的だ。つい先日に行った小石川植物園でも小さな株を初めて見た。ここから の逸出植物ではなさそうだが、今後どう増えていくのか興味深い。

 河川敷の荒地にはセリバヒエンソウが群生しつつあります

セリバヒエンソウ
セリバヒエンソウは小石川植物園からの逸出帰化植物で、 2016年には園内の至る所で見られるほど繁茂していた。
セリバヒエンソウの花
キンポウゲ科の多くの植物は雄性先熟といわれるが、セリバヒエンソウは雄しべと雌しべが同時に熟し、雌しべは普通3個あるという。
明治時代に中国から渡来したと言われる一年草。花の形の面白さから公園の植え込みなどに見られたが、さいたま市の荒川には2009 年頃から見られるようになった。
繁殖力が旺盛で年々増えているし、色も形も日本の風景にマッチしているようなので、マツバウンラン共々駆除の対象というより 定着していきそうだ。

 原野ではチョウジソウが花の盛りでエキサイゼリは多くの花と実が見られました

ハルジオン
道場の原野に続く農道脇にはハルジオンが所狭しと花を付けていた。ハルジオンの蕾は花柄が垂れて俯き、舌状花は淡紅色を帯び やすい。葉は茎を抱き、茎は中空で、根生葉は花時にも残る。
北アメリカ原産の多年草で大正時代に観賞用として渡来した。同じ北アメリカ原産のヒメジョオンは1〜2年草で、ハルジオンより一 足先に明治時代に渡来していた。
チョウジソウは薄紫の花を今を盛りと花開いていた。カサスゲは 茶褐色の雄小穂、円柱形の雌小穂を立て、ハナウドは早いものは花を付けていた。
シムラニンジン、ノカンゾウ、ノウルシもそれぞれのポジションで元気だった。
チョウジソウ カサスゲ
チョウジソウの群生と円内の花には蟻が入り込んでいる 丈夫で長い葉を笠や蓑を作るのに利用したのでミノスゲとも
エキサイゼリ
今年は野焼きが上手く燃え広がらず、立ち枯れたヨシが残っている所が多く、ヨシやノカラマツも伸びてきたので歩くのに 苦労した。
比較的低い草が多い湿地ではエキサイゼリが咲き、既に実を付けているものもあった。
荒川土手のノリ面ではトウダイグサが終わりに近く、多くの実を付けた燈台型の果序が残っていた。また、道場4丁目の公園予定地の 非耕作にはキツネアザミが群生していた。

 青葉園では藤が見ごろを迎え、河川敷では小鳥たちも囀っていました

フジの花
青葉園では天然記念物のフジの花が房を下げていたが、揺れていなかったからか少し早いように感じた。でも白花は終わっていた ようだった。
錦乃原桜草園はもうヨシとオギが伸び出してサクラソウは終わりに近いのは当然だったが、見易いように工夫してある所もあって花 は多く見られた。
いつも田島ケ原より遅かった桜草園まつりが今年は9〜11日と早かったようで、ビックリ。関係者がいたら理由を聞きたかった。
河川敷ではオオヨシキリが囀り、セッカが電線で囀りを繰り返していたのが珍しかった。ヒバリも地上に降りて採餌していたが、 幼鳥だったのだろうか。
平成28年5月4日作成