<キツネノマゴ(狐の孫)>

キツネノマゴ科キツネノマゴ属

学名(属名+種小名)Justicia procumbens

属名は18世紀のスコットランドの植物学者James Justiceに因む。種小名のprocumbensは「平伏した」とか「地を這う」の意味
キツネノマゴ 狐の孫
撮影:左は07年10月15日南区塚本の横提、右は07年9月5日田島ヶ原にて
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対生し、先が尖り柄があり、縁は滑らか 根・茎 下部が横に伸びて多くの枝を出す
花冠は長さ7ミリ、上下2唇に分かれる 果 実 細長く2つに裂けて4個の種子を飛ばす
高さ 10〜40p 花 期 7月〜10月
生育地 野原や道端に普通に見られる 分 布 本州、四国、九州など
別 名 神楽草、かやな 花言葉 積極的な行動をする(種子を飛ばす)
渡 来 在来種 近似種ハグロソウ、

和   名 萼と同じ長さの包葉がまじるので混みあって見える花穂を、小さな狐の尾に見立ててキツネノマゴ(狐の孫)という説が一般的。しかし、「狐の孫ではなくキツネノママコの転訛したもの。全体の姿特に花の形がママコナに似て毛深く、品が悪く、いやしい感じがするのでキツネノママコの名が生じ、これがつまってキツネノマゴになったのではなかろうか」との深津正説もある。
秋も深まって伸びきった姿はきれいとはいえないが、夏道端や野原に群生して小さな淡紅色の花をつける姿は愛らしく狐の孫説の方がほほえましくていい。
雑   記 「キツネノマゴ科は世界に250属、2,500種ほど知られ、キツネノマゴ属は約300種あり熱帯から温帯に広く分布する」(日本の野生植物)というのは驚きだった。
また科の特徴としては「ゴマノハグサ科と違って種子が少なく(普通4)しかも熟すと種子が弾子の力で弾け飛ぶ特徴を持つ」(入門野草図鑑)との事で水に挿して観察してみた。でもついに弾け飛ぶ瞬間は見られず仕舞いだった。本当に身近に置いた時間が短すぎたのかもしれないが、留守をして帰ってみるとアチコチに小さな黒い種子や殻が散らばっているのは不思議だった。

07年11月9日改訂

観察ノート

狐の孫果実 狐の孫種子
果実が2つに裂けて種子が3つ残っている種子は長さ1ミリ。この黒い粒がアチコチに飛んでいた