<コナギ(小菜葱)>

ミズアオイ科ミズアオイ属

学名(属名+種小名)Monochoria vaginalis var.plantaginea

属名はmonos(単)+chorizo(離す)からなる語で雄しべの内一つだけが大きい事から。種小名のvaginalisは葉鞘のあるの意味
コナギ 小菜葱
撮影:06年8月25日西区三条町の休耕田にて
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3〜7cmで多くは披針形。変化が多い 根・茎 茎は5〜6本束生し短い
花径は約1.5p、花被片6、雄しべ6、雌しべ1 果 実 花後下向きになって果実をつける
高さ 10〜15p 花 期 9月〜10月
生育地 水田特に休耕田に生える一年草 分 布 本州、四国、九州など
別 名 ササナギ 花言葉 奥ゆかしい(花は葉の下に咲く)
渡 来 史前帰化植物 近似種ミズアオイ、アメリカコナギ

和   名 ミズアオイの古名をナギといい、昔この葉を食用にしたので菜葱の字をあてたという。小菜葱はミズアオイに似て小さい事から。
雑   記 開花時間は午前中だけと短い。雄しべの6本中1本だけが大きく、 角状の突起があり、葯が青紫色で、閉花後雌しべが動いてその花粉で自家受粉するという。
史前帰化植物で古くから水田の雑草だったようだが、群生すると稲に大きな影響を与える。それ故か戦前までは水田の秋の風物詩だったミズアオイは除草剤の普及でほとんど姿を消してしまったようだ。
万葉集の3歌はいずれも相聞  
0407 春霞春日の里の植子水葱苗なりといひし枝はさしにけむ
3415 上毛野伊香保の沼に植ゑ子水葱かく恋ひむとや種求めけむ
3576 苗代の子水葱が花を衣に摺りなるるまにまに何(あぜ)か愛(かな)しけ
※原文のコナギは0407は子水葱、他の2句は古奈宜の表記(万葉集全訳注原文付 中西進)

07年11月25日作成 08年8月17日追記、09年8月31日追記

観察ノート

小菜葱群生 コナギの根
コナギとオモダカ群生の休耕田 06年8月27日桜区 コナギの根は意外と短い
コナギの果実 コナギの種子
果実は下向きにつきます 果実の種子。左の果実を割ってみました