<オニドコロ(鬼野老)>

ヤマノイモ科ヤマノイモ属

学名(属名+種小名)Dioscorea tokoro

属名のDioscoreaは1世紀のギリシャの自然科学者A.d.Dioscoridesに捧げられた名。種小名のtokoroは日本語 のトコロの意
オニドコロ 鬼野老
撮影:左は09年7月15日自然教育園 右は08年8月3日野川公園自然観察園にて
※上の写真はクリックすると大きくなります
下部は心臓形で先端は鋭く尖る。互生 根・茎 地下茎を野老と呼んで正月の飾りにした
雌雄異株。雄花序は立ち、雌花序は垂れる 果 実 3枚の羽があり果穂となって垂れ下がる
高さ 右巻きに他物に絡みついて伸びる 花 期 6月〜7月
生育地 林の周囲や野山 分 布 日本全土
別 名 トコロ 花言葉 子だくさんの(下記の雄花序の多さから)
渡 来在来種近似種 ヒメドコロ、ヤマノイモ

和   名 根茎が曲がってひげ根が多い事から野の老人で野老、曲がってひげがある海の老人は海老。意味はわかるが読み方がどうしてトコロで エビなのか少し考えると不思議だ。
オニドコロの根は長寿を願ったとも所(=所領)の安堵を願ったともいわれ、正月飾りになくては ならないものだったようで、古くは土古呂とか都古侶などと表記されたようだ。それがいつの間にか海老に対する名として野老になったという。
雑   記 雌雄異株で雄花序は直立して枝を分けるが、雌花序は垂れ下がり枝はない。 小さな花は淡緑色で6枚の花被片は平開し、雄花は雄しべが6付き雌花は3花柱があり緑色の細長い子房が付く。
ヤマノイモとはムカゴが つかない、幅の広いハート形の先が尖る葉が互生するのが区別点。花序も雌雄ともヤマノイモより数多く盛大に付くのが特徴。
同じヤマノイモ科のニガカシュウ(苦荷首烏)ともよく似るが花は全く違い、ニガカシュウの葉柄の両端に縮れたヒレがあり、ごつごつした珠芽が 付くので区別できる。

09年7月20日作成・2014年10月18日改訂

オニドコロ雄花序 オニドコロ雌花序
雄花序はたくさんの花を群がるように立てる 雌花序は子房の先に付く。左には刮ハも付いている
オニドコロ雄花 オニドコロ刮ハ
花の中央に6個の雄しべが見える雄花 オニドコロの刮ハは3面体、翼のある種子が入る