<フラサバソウ(フラサバソウ)>

ゴマノハグサ科(APG分類ではオオバコ科)クワガタソウ属

学名(属名+種小名)Veronica hederaefolia

属名のヴェロニカは磔場に向うキリストにハンカチを差し出したという聖女の名。種小名はヘデラ属に似た葉の意
フラサバソウ フラサバソウ
撮影:左は09年3月31日、右は06年4月18日いずれも小石川植物園にて
※上の写真はクリックすると大きくなります
茎下部の数対は対生、上部では互生 根・茎 茎は分枝して斜上し、長毛が散生する
花冠は淡青紫色、皿型で深く4裂し径約4o 果 実 扁平な球形で先がハート形に凹む。
高さ 10〜30p 花 期 4月〜5月
生育地 畑や路傍に生える越年草 分 布 北海道から九州
別 名 ツタノハイヌノフグリ 花言葉 一見こわもてに見える(萼などに毛が多い)
渡 来 ヨーロッパ原産の帰化植物。明治初年に長崎で採集された 近似種オオイヌノフグリタチイヌノフグリイヌノフグリコゴメイヌノフグリ

和   名 明治初年に長崎で採集された記事が、フランスで出版された「日本植物目録」にあるのに、その後長らく日本でこの植物を見た人はいなかった。
1937年(昭和12年)奥山春季が1911年(明治44年)に田代善太郎が長崎で採集した標本を発見し、最初の採集者FranchetとSavatierの名を記念してフラサバソウと名付けた。その後、水戸市で発見され、各地で見られるようになった。(日本の帰化植物)
雑   記 最初に長崎で発見されて以来その後はほとんど見た者が居ず、昭和10年代に入ってようやく認知されたらしい不思議な植物だが、私との出会いもまったく偶然だった。
小石川植物園の日本庭園に向う通路脇の草はらでセリバヒエンソウを撮ろうとしゃがみ込んだ。その近くに小さな花が咲いていた。よく見るとアチコチに淡紅紫色の花が開いている。花の形、色からイヌノフグリではと思い夢中で写真を撮った。その内に花の周りに随分と毛が多いことに気付いた。萼に毛が多いのはまさにフラサバソウの特徴だ。

07年12月22日作成・09年5月18日写真替

観察ノート

フラサバソウ
蕾も葉も萼も毛だらけ 06年4月18日小石川植物園